Deggendorf, Germany, 27 November 2019 * * * 高性能組み込みコンピューティング製品のリーディングサプライヤであるcongatec(コンガテック ジャパン) とHacarusの日本人のAI専門家が本日、世界初のスパースモデリング技術を使用する人工知能(AI)向け組み込みコンピューティングキットを披露しました。スパースモデリングは、正確な推論を行うためのトレーニングデータをほとんど必要としません。これは、製造品質が高いと棄却率がおのずと低くなるため、特にビジョンベースの検査システムにとって優位です。スパースモデリングであれば、50枚にも満たない画像を用いて、新しい検査モデルを構築できます。これは、従来型のAIモデルの構築に必要とされる画像数1000枚以上を大幅に下回ります。Hacarusが提供するスパースモデリングキットは、単独でも既存の検査システムのアドオンとしても使用できます。主な顧客はビジョンシステムプロバイダとシステムインテグレータです。他のユーザーグループとして、ビジョンベースのAIをデバイスに使用したいと考えているものの、多種多様な個々の顧客先への導入にアルゴリズムが必要だったため、これまで使用することを躊躇していたマシンビルダーやシステムビルダーなどが挙げられます。
「スパースモデリングであれば、開発者は、個々の要件に合わせてトレーニングすることができて、どこでも運用可能な次世代検査システムを構築できます。常時照明など、諸条件を最適な状態に保つ必要がもうありません。同様に、OEMも変わりゆく生産プロセスにより柔軟に対応できます。こうした柔軟性は、産業用IoT/インダストリー4.0に制御されたバッチサイズの生産に移行する上で、不可欠です。」と、congatec(コンガテック)のマーケティング担当ディレクター クリスティアン・エダー(Christian Eder)は説明します。
スパースモデリングは基本的に、ユニークな特性の識別に重点をおいたデータモデリングアプローチです。簡単に説明すると、スパースモデリングは、人の髪の毛1本1本や体を全て分析するというより、人の脳の様にデータを理解します。
「人は、目や耳などの主な特徴に基づいて友人と家族を認識できます。スパースモデリングは、比較可能なロジックをインテリジェントな画像処理システムに統合します。従って、従来型のAIモデルのようにビッグデータ全体を処理する必要がなく、いくつかの厳選したデータだけを処理するだけで済みます。スパースモデリングに基づくアルゴリズムは、データ量を減らしてこれらのユニークな特性に転換します。」と、Hacarus のCTO染田貴志氏はスパースモデリングのメリットについて、要約して説明します。これによってAIの消費電力も大幅に削減されるため、毎日24時間継続的に使用され、AIの統合に必要な消費電力量が限られている省電力ファンレスステムに理想的です。
拡張可能なハードウェアプラットフォーム付きスターターキット
congatec(コンガテック ジャパン)とHacarusが共同開発した新しいスターターキットは、GigEやUSB 3.x環境ですぐに展開して検査できます。手のひらサイズのコンピュータ・オン・モジュールに基づいて設計され、わずか173 x 88 x 21.7mm(6.81” x 3.46” x 0.85”)の大きさです。スリムだけでなく、継続的な生産で利用可能な最新のIntel® Atom™やCeleron®プロセッサ(コード名Apollo Lake)により、卓越した性能を発揮します。小型にもかかわらず豊富な入出力を備えているため、エンドユーザの現場で多くの異なる設定が可能となるシステムです。標準インターフェイスは、GigE Vison対応GbE x2、USB3.0/2.0 x1、USB2.0 x4、UART(RS-232) x1です。USIMソケット付きMini-PCIe x2、mSATAソケットx1、16ビットのプログラム可能なGPIOで拡張可能です。
DC電圧入力は、9V~32Vと広範囲です。