リアルタイム処理を無線で

コンガテック、5G接続のモバイルおよび固定デバイス向けの新しいプラットフォームと設計戦略を紹介

組込み、およびエッジ コンピューティング テクノロジーのリーディング ベンダーであるコンガテック(congatec)は、Japan IT Week秋(ブース34-2)において、5G接続のモバイルおよび固定デバイスの新しいプラットフォームと設計戦略を紹介しています。日本はモバイルブロードバンドで世界をリードしており、4つの国内通信事業者すべてがすでに5Gサービスを開始していて、そのうち1社は2023年までに全国をカバーすることを目標としています[1]。重要なイノベーションアクセラレーターとして5Gエッジテクノロジーは、特にモビリティ、交通、ロジスティクス、スマートシティのマーケットだけではなく、産業用モバイルマシンやロボットのメーカーにも高い需要があります。それらはすべて、新しい組込みプラットフォームを必要としていて、ほとんどの場合でリアルタイム機能も必要としています。さらに、まったく新しい世代のスマートモバイルや固定デバイスを実現するために、これらの新しいプラットフォームをダウンタイムなしで無線によって制御できるようにしたいと考えています。
 

コンガテックはJapan IT Week秋において、最近リリースされた各種のコンピュータ・オン・モジュールによってこれらのニーズに応えるソリューションの展示をおこなっています。 これらは特に産業用グレードのエッジアプライアンス向けに設計されており、デバイスがダウンしている場合でも、IP接続を介したアウトオブバンドによって管理することが可能です。
 

「OEM機器メーカーと組込みシステム設計会社向けのハイライトの1つは、最新のハイパフォーマンスIntel Coreプロセッサを搭載したコンガテックのモジュールです。これらは、拡張温度範囲のバージョンもあり、モバイル、ポータブル、固定など、すべての屋外機器に最適です。RAMを基板に直付けした最新のコンガテックのモジュールは、激しい衝撃や振動にさらされるアプリケーション向けに設計されており、大きなアドバンテージを提供します。すべてのモジュールは、TSN対応の無線リアルタイム接続サービスと、デバイスといろいろなものが通信できる環境の導入を可能にします。さらに、一台のデバイスでさまざまなタスクやドメインを扱うためのバーチャルマシンの実装も提供しています。」と、コンガテックの日本カントリーマネージャーである奥村康弘氏は説明し、さらに続けます。「お客様がそれぞれの5G戦略を実現するためのターゲットプラットフォームは、ハイエンドのエッジサーバから低消費電力のクライアントプラットフォームまでさまざまです。」

 

COM-HPC:イノベーターのための新しい規格

Japan IT Week秋において、コンガテックは最大のイノベーションの可能性を提供する新しいCOM-HPC規格に基づいた、2つの新しいモジュールファミリを紹介しています。第11世代Intel Core vPro、Intel Xeon W-11000E、およびIntel Celeronプロセッサを搭載したconga-HPC/cTLUconga-HPC/cTLH COM-HPC Clientモジュールは、最大20レーンのPCIe Gen 4という広帯域幅を必要とする、最も要求の厳しいIoTゲートウェイやエッジコンピューティングアプリケーション向けに設計されています。 アプリケーション開発をすぐに始められるように、両方のモジュールでコンガテックスターターセットを用意しています。スターターセットには、ATXフォームファクタのconga-HPC/EVAL-Clientキャリアボードが含まれています。組込みシステムの設計で標準のPCコンポーネントを使うことができるため、エンジニアにとってこのキットは非常に効率的です。コンガテックのCOM-HPCポートフォリオ詳細については、以下のサイトをご覧ください。https://www.congatec.com/jp/technologies/com-hpc/
 

COM Express:格段に性能が向上

ブースのもう1つのハイライトは、コンガテックの幅広いCOM Expressのポートフォリオで、最新のプロセッサによってあらゆる機能のパフォーマンスが格段に向上しています。新しいTiger Lake Hプロセッサを搭載したCOM Express Type 6のconga-TS570モジュールは、大規模に接続されたリアルタイムIIoTゲートウェイ、エッジコンピューティング、およびマイクロサーバワークロードの新らたな基準を示します。新しい第11世代Intel Coreを搭載したモジュールは、-40℃~+85℃の幅広い動作温度範囲をサポートしているため、非常に過酷な環境で高いコンピューティングパフォーマンスを必要とする、要求の厳しい交通やモビリティアプリケーションに最適です。 24時間ネット接続されるファンレスの組込みシステム向けには、AMD Ryzen Embedded V2000プロセッサを搭載したconga-TCV2 COM Express Compact コンピュータ・オン・モジュールも選択肢のひとつです。5G接続アプライアンス向けのCOM Expressプラットフォーム全般につきましては、以下のサイトをご覧ください。https://www.congatec.com/jp/technologies/com-express/

 

スモールフォームファクタ:小さなことにもっとパワーを

コンガテックは、低消費電力パフォーマンスレベルの最新モジュールのデモもおこなっています。これらは、5G接続されソーラーパワーで動作する、分散プロセス制御されたスマートエネルギーグリッド、リモートトレイン、交通システム、自動運転車、およびバッテリー容量が制限された屋外モバイル機器などに合わせて完全にカスタマイズされています。Time-Sensitive Networking(TSN)をサポートするフラッグシップには、Intel Atom x6000Eシリーズ、Intel Celeron、およびPentium N&Jシリーズのプロセッサ(コード名「Elkhart Lake」)を搭載したSMARC、Qseven、COM Express Compact、およびCOM Express Mini などのコンピュータ・オン・モジュール規格製品の他、Pico-ITXシングル・ボード・コンピュータ(SBC)も含まれています。

 

実際のデモシステム

ブースでは、コンガテックのワークロード統合用デモシステムにより構築された、5G接続のリアルタイムアプライアンス向けにTSNをサポートする、実際のシステム設計セットアップをご覧いただけます。Intel社およびReal-Time Systems社と協力して設計され、Intel社によってRFP(Ready For Production:量産向け)に認定されたこのプラットフォームは、あらかじめコンフィグレーションされた3つのバーチャルマシンが統合されており、たとえひとつのバーチャルマシンがブート中であっても、いかにさまざまなタスクがひとつのプラットフォーム上でリアルタイムで実行されるのかを実演します。デモは協調システムをターゲットとしており、状況認識を改善するためにビジョンとAIを含めてあらかじめコンフィグレーションされています。

 

エッジデータセンターの能力

5G接続されたエッジサーバレベルのコンピューティングパワーを必要とするカスタマ向けに、コンガテックは、AMD EPYC Embedded 3000プロセッサを搭載したCOM Express Type 7サーバ・オン・モジュールのライブデモを公開しています。このモジュールは最大16コアをサポートし、Real-Time Systems社のハイパーバイザテクノロジーによるバーチャルマシンを利用することで、ワークロード統合のためのさらに多くのオプションを提供します。EPYC Embedded 3000プロセッサは最大で100ワットを消費するため、コンガテックは最適な冷却ソリューションも設計しており、これらのハイエンド組込みプラットフォームのシステムインテグレーションを容易にします。
 

Arm Cortexのフラッグシップ

NXP i.MX 8プロセッサテクノロジーをベースとしたSMARCおよびQsevenプラットフォームが、ブースのデモンストレーションを締めくくります。ここでは、最新のNXP i.MX 8M Plusプロセッサにフォーカスしています。機械学習とディープラーニング機能を備えた新しい超低消費電力SMARCとQsevenモジュールは、状況認識、目視検査、識別、監視、追跡、ジェスチャーベースの非接触型機械操作、拡張現実(AR)などのアプリケーションに活用することができます。 このテクノロジーは、さまざまな分散充電のための負荷分散ロジックと、支払い、保守、および管理のための5G接続が必要な、充電インフラストラクチャ向けです。これらすべてのプラットフォームではTSNがサポートされています。
 

i.MX 8をベースとした設計のための、コンガテックのエコシステムの詳細については、以下のサイトを参照してください。
https://www.congatec.com/jp/technologies/congatec-coms-based-on-nxp-imx8-processor-series/