COM-HPCは、これまでのコンピュータ・オン・モジュール規格では対応することができなかった、これからの新しいエッジサーバや組込みサーバ アプリケーションにおいて、増え続けるパフォーマンスと帯域幅への要求に対応できるように、特別に設計されています。 そのため、COM-HPCはこれからのシステムで要求されるデジタル化の流れにおいて、ゲームチェンジャーとなるでしょう。
COM-HPC規格は、PCI Industrial Computer Manufacturing Group(PICMG)がホストしています。 PICMGは、2023年の時点で、29の企業によってサポートされており、多くの経験豊富なエンジニアが、さまざまなCOM-HPCワーキンググループをサポートしています。 PICMGにおいてCOM-HPCの標準化の取り組みは、コンガテックによって始められました。 コンガテックのプロダクト マーケティング ディレクターであるクリスチャン・エダー(Christian Eder)は、テクニカル サブコミッティの議長を務めています。
コンピュータ・オン・モジュールのコンセプトとアドバンテージ、および COM Express、SMARC、Qseven など、他のコンピュータ・オン・モジュール(COM)規格については、以下のサイトをご参照ください。 https://www.congatec.com/jp/technologies/embedded-computer-on-modules/
ハンドヘルドからサーバまで - すべての設計をひとつの規格に基づいて
COM-HPCは、将来を見据えたデジタル化を実現するプロジェクトを成功させるための、完全なエコシステムを提供します。 パワフルなスモール・フォーム・ファクタ(SFF)デバイスから、グラフィックスを使う多目的な設計のほか、コア数が多くメモリ容量も大きい堅牢なエッジサーバに至るまで、さまざまなレンジのアプリケーションを容易に開発できるように、COM-HPCコンピュータ・オン・モジュールでは、3種類のピン配列タイプと6種類のサイズが定義されています。 対応するコンガテックのキャリアボードを利用することで、設計者はアプリケーションの開発をすぐに始められ、さらに個々のモジュールごとに最適化されたコンガテックの冷却ソリューションが、最も効果的な熱放散を可能にします。
組み合わせ自由で管理可能なモジュール
COM-HPCモジュールは、x86とArmプロセッサのみならず、GPUやASIC、FPGAなどのコンピューティング アクセラレータも搭載することができます。 COM-HPCのもう1つのユニークな機能は、1つのキャリアボードに異なるモジュールや異なるサイズのものを組み合わせて搭載することができることです。 さらに、COM-HPCにはプラットフォーム・マネージメント・インタフェース(PMI)機能があり、システムがオフになった場合でも、簡単なリモート管理がおこなえるように、インテリジェント・プラットフォーム・マネージメント・インタフェース(IPMI)の簡素化された機能セットを実装しています。
COM-HPCのファクト、機能、利点
ファクト | 機能 | 利点 |
ベンダーに依存しない規格 | COM-HPCモジュールは、多くのベンダーから入手可能で、同じピン配列で同じサイズであれば交換可能 | 生産性のスケーラビリティと、サプライチェーン問題を改善するための、供給安定性と信頼性の高いマルチソース戦略 |
3種類のピン配列と6種類のサイズ; | COM-HPCモジュールは、COM-HPC Mini、COM-HPC Client、COM-HPC Serverモジュールの3種類 | スモール・フォーム・ファクタ(SFF)のアプリケーションからサーバに至るまで、さまざまなアプリケーションや製品ファミリーに同じ設計原則を適用することでNREを削減し、設計の安全性を向上 |
プロセッサやコンピューティングコアを特定しない | COM-HPCモジュールは、x86マルチコア プロセッサから Arm SOC、GPU、ASIC、あるいはFGPA まで、任意のコンピューティングコアを搭載可能 | すべてのアプリケーションで同一の設計方法を適用することで、設計が簡素化され迅速におこなえるため、市場投入までの時間を短縮。 プロセッサ世代間での信頼できるアップグレードパスにより、アプリケーションのライフサイクルを長くし、ROI(投資対効果)を改善。 |
未来志向のインタフェーステクノロジーのサポート | 最高でPCIe Gen 5とそれ以上、USB4 / Thunderbolt 4、および最大8x 25 GbEを含む、さらに高い帯域幅のI/Oをサポート | 非常に長いアプリケーション ライフサイクルに対応するための、データ転送速度がボトルネックとならない、未来志向のインタフェース テクノロジー |
供給電力の増加 | クレジットカード サイズのモジュールで最大107ワット、COM-HPC Clientで251ワット、COM-HPC Serverでは358ワットの供給電力により、高いパフォーマンスを実現 | 供給電力の増加により、さらなるパフォーマンスのために多くの電力を必要とするパワフルなCPUやI/O、およびメモリを利用することが可能。 消費電力増加にともなう発熱のため、最適化された冷却ソリューションを提供するベンダーを探すことが必要。 |
アプリケーション指向のサイズと機能セット - COM-HPC規格の概要
COM-HPC Mini
クレジットカード サイズの大きさ
95 mm x 70 mm
400ピン - 主要な機能を備えた最小の設計向け、シングルコネクタ ピン配列
最大107ワットの消費電力
最大16のPCIeレーン
2x 2.5 GbE
最大4x USB4
最大3x ビデオ
直付けメモリによる堅牢な設計
機能安全をサポート
MIPI CSIカメラのサポート
CANバス
COM-HPC Client
3種類のサイズ
Size A: 95x120 mm
Size B: 120x120 mm
Size C: 120x160 mm
800ピン - グラフィックスを使った多目的設計向けに最適化された、デュアルコネクタ ピン配列
最大251ワットの消費電力
最大49のPCIeレーン
最大2x 25 GbE と 2x 10 GbE
最大4x USB4
最大4x ビデオ
最大4つのSDRAMソケット
機能安全をサポート
MIPI CSIはサポートされていません
CANバスはサポートされていません
COM-HPC Server
2種類のサイズ
Size D: 160x160 mm
Size E: 160x200 mm
800ピン - 最高の帯域幅を持つインタフェースとネットワーキングを備えた、ヘッドレスサーバ向けに最適化された、デュアルコネクタ ピン配列
最大358ワットの消費電力
最大65のPCIeレーン
最大8x 25 GbE と 1x 10 GbE
最大2x USB4
ヘッドレス(ビデオ出力なし
最大8つのDRAMソケット
機能安全をサポート
MIPI CSIはサポートされていません
CANバスはサポートされていません
このウェビナーでは、この新しいPICMG規格のテクノロジー、アプリケーション、要求事項、および機能の概要を説明します。