AMD EPYC Embedded 3000プロセッサを搭載したCOM Express Type 7
過酷な環境向けにパフォーマンスを向上
サーバプロセッサは、ますますエネルギー効率を高めています。 組込みアプリケーション開発者は、これらを使用してパフォーマンスを向上させ、これにより、まったく新しいアプリケーション分野も開かれます。 コンガテックは、アプリケーションレディのCOM Express Type 7モジュールとプラットフォームにより設計をサポートします。 AMD EPYC Embedded 3000プロセッサを搭載したconga-B7E3サーバ・オン・モジュールは、現在、組込みサーバのトップクラスです。
組込みコンピューティング市場では、多くのアプリケーション分野でより高いコンピューティングパワーを要求しています。インダストリー4.0のアプリケーションでは、いくつもの装置やシステムの同期が必要です。 協調的なマシンビジョンや協調ロボットでは、画像やその他の環境データの処理が必要です。 同じことが自律型ロボットやロジスティクス車両にも当てはまります。 5Gネットワークに関連した開発で、エッジコンピューティングの多くのタスクはデフォルトでサーバクラスのパフォーマンスを必要とします。例えば産業用ルーティング、ファイアウォールセキュリティ、あるいは汎用の組込みハードウェアにソフトウェアを載せた VPNテクノロジーなどの機能を実行するために、仮想化オンプレミス機器(vOPE)を過酷な環境に設置する必要性が高まっていることは言うまでもありません。
さらなる利点:より便利なリモート管理
組込みシステムをリモート管理する機能の重要性がますます高まっています。 人工知能(AI)の干渉システムなどの新しいアプリケーション分野でも、高いコンピューティングパフォーマンスが要求されます。 ハイパーバイザテクノロジーを使用した仮想化によるシステム統合により、組込みシステムのパフォーマンスに対する要求がさらに高まります。
これらのアプリケーション分野はすべて、組込みサーバレベルの新しいパフォーマンスクラスを必要としまが、従来の組込みコンピュータテクノロジでは、最大約50Wまでしか対応できなかったため、提供することができませんでした。 コアの数と帯域幅、そして高性能インタフェースの数が少なすぎ、包括的なリモート管理機能もありませんでした。 しかしながら、AMDなどのプロセッサメーカーは近年、サーバテクノロジーの効率を上げ、サーバプロセッサに期待できるすべての機能を、TDPが 30〜100Wクラスのマルチプロセッサシステムですでに提供しています。
非常にエネルギー効率の高い30Wサーバ
30Wの組込みサーバテクノロジーは、ハンダ付けされたプロセッサと、従来のサーバ分野で知られているRAS(Reliability, Availability and Serviceability:信頼性、可用性、保守性)機能とを組み合わせたおかげで、堅牢な設計で完全にパッシブな冷却システムを可能にします。 それと同時に、あまり多くの機能を提供しません。特に、CPUとGPUを単一のダイに統合したAPUの包括的なグラフィックサポートではないため、不要な機能を付けておく必要はありません。
AMD EPYC Embedded 3000プロセッサファミリは、この新しいクラスの組込みサーバプロセッサの最先端にあり、4、8、12、または16の高性能コア、同時マルチスレッディング(SMT)サポート、最大1TB DDR4メモリ(4チャネル以上)、および最大64のPCIe Gen3レーンを提供します。 市場で入手可能な従来のソリューションと比較して、クロックあたり52%多い命令と、2倍の接続性をサポートします。 これらすべてに加えて、AMDは1ドルあたり最大2.7倍のパワーを提供します。 全体として、これらは説得力のある議論です。 これは特にシングルソケット設計に当てはまります。それは高いメモリ帯域幅を初めて備えているためで、これまでは、デュアルソケットレベルのソリューションで非常に高いコストでしか得られなかったからです。 コストの議論は重要で、2番目のプロセッサを統合することにより、追加のソフトウェアライセンスが必要になることが多いためです。
柔軟な設計オプションと包括的なセキュリティ機能
包括的なコンフィグレーションオプションと、競合のソリューションとの高いソフトウェア互換性のおかげで、AMD EPYCプロセッサは非常に柔軟性があり、現在、次世代の組込みサーバ設計にとって最も魅力的なプラットフォームです。 最大32のNVMe、またはSATAデバイスと、最大8つのネイティブ10GbEチャネルをサポートします。産業用サーバテクノロジーにとって重要な、フィールドバスやディスクリートI/OインタフェースなどのレガシーI/Oもサポートされます。 HPC、およびAIアプリケーションにとって魅力的な機能には、ハイエンドのAMD Radeon GPUのシームレスなサポート、および多くの新しいAIアプリケーションに不可欠な浮動小数点パフォーマンスがシングルとデュアルのダイ、両方のバージョンでの向上が含まれます。
また、1つのシステムでRTOSとGPOSを並列実行する、AMD EPYC Embeddedプロセッサのハードウェア統合仮想化や、セキュアブートシステム、セキュアメモリ暗号化(SME)、セキュア仮想化実行などから、2つのSEV対応プラットフォーム間のセキュアな移行チャネルまで、包括的なセキュリティパッケージも魅力的です。 10ギガビットイーサネットポートについては、新しい組込みサーバプロセッサは、インテグレートされた暗号アクセラレーションによりIPsecもサポートします。 その結果、サーバ管理者でさえ、その暗号化されたVMにアクセスすることはできません。 これは、ハッカーによる妨害行為を効果的に回避しつつ、インダストリー4.0の自動化でマルチベンダーアプリケーションを有効にしなければならない、高度なセキュリティが要求される、多くのエッジサーバサービスにとって非常に重要です。
アプリケーションレディのサーバ・オン・モジュール
コンガテックは、AMD EPYC Embedded 3000プロセッサシリーズをCOM Express Type 7サーバ・オン・モジュールで利用できるようにしました。このフォームファクタの規格は、125 x 95 mmの小さな寸法でありながら、現在、オンボードで最大96 GBのメモリ、4x 10GbE、および最大32のPCIe Gen 3レーンをサポートしています。サポートされているインタフェースは、AMD EPYC Embedded 3000プロセッサが持つ機能のすべてではありませんが、お客様は非常に小さな形状の中に、すべてのドライバとベストプラクティスの設計、そして組込みサーバを非常に効率的に実装できるようにするためのガイドラインを含むアプリケーションレディのサーバ・オン・モジュールを手に入れることができます。これは特に重要です。社内のフルカスタム設計と比較して、お客様は50〜90%の労力を削減できます。モジュールのもう1つの利点は、柔軟なスケーラビリティで、モジュールを簡単に交換することができます。さらに多くのインタフェースを使用したい場合や、デュアルソケットソリューションを実装したいお客様のために、コンガテックはこれらのプロセッサを使ったフルカスタム設計のご提案もおこなっています。これらは、お客様がすべてを自分で実装する必要がある場合よりも、アプリケーションレディで実績のあるモジュールとキャリアボードのレイアウトを使用することで、比較的簡単かつ効率的に実現できます。
組込みサーバテクノロジーの有望なロードマップ
興味深いことに、サーバ・オン・モジュールは、将来さらなるパフォーマンスをサポートする予定です。 コンガテックとSamtec社の参加により、PICMGのCOM-HPCワーキンググループは、SPS/IPC/Drives2018で新しいCOM Expressモジュール規格に関する初期情報をすでに提供しました。これは、さらに高速な30 GbE、PCIe Gen 4および5のような高速インタフェース用に設計され、さらに多くのインタフェースを実装できます。この新しい規格のアプリケーションレディモジュールのリリースは2020年に予定されています。コンガテックなどの企業が、PICMG仕様に基づく標準化を推進しサポートすることで、サーバ・オン・モジュールセグメントは将来大幅に強化され、OEMのお客様向けの総合的なサービスも提供することができます。これは、コンガテックの協力パートナーであるiesy社やConnect Tech社が提供するアプリケーションレディのキャリアボードの市場も生まれました。次の組込みサーバ設計をご検討中の方は、今すぐ、業界をリードする企業にご相談ください。新しいAMD EPYC Embedded 3000ベースのconga-B7E3サーバ・オン・モジュールはまだ始まったばかりで、プロセッサとサーバ・オン・モジュールの両方のロードマップは非常に有望です。現在のCOM Express Type 7製品群は、これまで統合グラフィックスを備えたモジュールによって提供されていた組込みハイエンドを超えたニーズに対応するように設計されています。そのため、既存のソリューションを進化的に開発することが理想的です。たとえば、組込みビジョンと統合AIを組み合わせた自律型ロボット車両などです。